医師法上の美容整形脱毛の疑義について

実際にレーザー脱毛が医行為であると厚生労働省によって解釈されたのは、平成12年6月9日に、当時の警察庁生活安全局生活環境課長宛てに、厚生省健康政策局医事課長より出された、「医師法上の疑義について(回答)」という通知によってのことです。同年5月18日に厚生省健康政策局医事課長宛てに、警察庁生活安全局生活環境課長からなされた照会には、全て「医師免許のないエステサロン従業員が」という書き出しから始まる三項目の「事案の概要」について、「非医師である従業員が」それぞれの施術を行うことを「医師法に規定する医業行為に抵触すると解してよいか」と書かれており、それに対する回答として当時の厚生省は、「(1)~(3)のいずれも、御照会の行為を業として行えば医業に該当する」と認定したのです。厚生省による通知には、長々とその施術についての文言が書き連ねられているのですが、簡単に言ってしまえば、その3つの施術とはレーザー脱毛とアートメイクとケミカルピーリングのことで、その瞬間にエステと美容整形の間にはっきりとした線引きがなされたと言えるわけです。

医療過誤の多発

当然そのような照会及び通知がなされるに至った背景には、「医師免許のないエステサロン従業員が」行ったそれらの施術による医療過誤の多発があったわけで、さらに平成13年の11月8日には「国民への危害発生を未然に防止するべく、下記のとおり、再度徹底」し、さらなる周知を図るべく、「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」という通知がなされる異例の事態が発生しています。それでも、同様の諸問題が今日でもメディアで散見されているように、医師免許を持たない者による医行為と認定された美容整形の施術は未だ行われているのが実情です。それからも、エステティック業界から、それらの施術はあくまで医業類似行為であって医行為ではないという主張がなされるなど、問題は収束を迎えるどころか、ますます混迷の度を増しているようにも見えますが、実際に医師法違反で逮捕者が出るなどしているわけですから、やはり医師から施術を受けるのが確実であることは間違いのないところでしょう。